毎年秋から冬にかけては、インフルエンザの流行シーズンです。インフルエンザウイルスが原因で起こる病気で、突然の発熱や全身の倦怠感などの症状が特徴です。伝染性が非常に強く、症状が激しく重症化しやすいなどから、普通のかぜとは区別すべき病気です。特に高齢者や乳幼児は重症化しやすいので注意が必要です。原因となるウイルスを体内に侵入させないことや、予防的ワクチンを接種し感染後の重症化を防ぐことが重要です。
インフルエンザワクチンは、接種してから効果が現れるまで、通常2週間ほどかかります。また、効果が持続するのは約半年程度と言われています。通常日本では、毎年11月下旬から12月上旬にインフルエンザのシーズンが始まり、翌年2月にピークを迎えますので、予防接種は一般的に12月中旬頃までに受けたほうがよいです。
幼児から小学生(6カ月以上13歳未満)は、およそ2~4週間(免疫効果を考慮すると4週間あけることが望ましい)の間隔をおいて2回接種をしますが、2回目の接種が12月中旬頃までに済むように計画するとよいです。中学生以上は通常1回接種ですが、基礎疾患(慢性疾患)があるために著しく免疫が抑制されていると考えられる場合は医師の判断で2回接種とすることもあります。
インフルエンザワクチンの有効率は、健康な成人ではおよそ60%程度の発症を防ぐ効果があると考えられています。すべての方に有効ではありませんが、接種する価値はあるかと思います。前職の大学病院やがんセンターでは、ほぼ全職員が予防接種をおこないますが罹患する職員はいました。本人の辛さはもちろんですが、家族や同僚、医療従事者の場合は患者様へ感染させる可能性があります。罹患してしまったら、解熱剤/抗ウイルス剤投与(病状による)と約1週間の出勤停止となるわけですが、社会人でこの処置は実際にはツライものがありますよね…。罹患前にできることといったら、マスク/手洗いやうがい/予防接種くらいですので、早めの予防接種をお勧めいたします。